近年、しゃ水シートの破損、漏水による環境汚染がクローズアップされましたが、その対策として、シートの材質や物性値に関心が集中している傾向にあります。しかし、しゃ水工をシステムとして捉えた場合には、シートの下地である基礎地盤が特に重要となります。
しゃ水工の設計に関しては、地質条件、施工条件を十分考慮し、不等沈下対策を講じるとともに、下地地盤に一定の不透水性を持たせることと、地下水や湧水の排除促進が重要となります。また、シート敷設部の法面勾配や小段巾についても、使用するシートの材質、使用方法に応じた適切な設定とし、施工性の向上を図ることにより、より信頼性の高いしゃ水工となります。
浸出水処理施設は、しゃ水工によって周辺環境から遮断された浸出水を処理し、自然環境に還元する機能を有する重要な施設で、周辺の利水状況や環境条件に適合した最適な処理システムの選定が重要となります。