近年、都市問題、地球環境問題を底流として、廃棄物処理のとりまく環境は大きく変化しています。生産、流通、消費というサイクルの中で、経済性、利便性を求める社会システムとライフスタイルが定着したことにより、日常の生活から排出されるごみは、量的増大と質的多様化を続け、その処理は益々困難となっています。
このような背景から、廃棄物の循環型社会を目指した減量化・資源化をより一層進めるための施策が展開されてきており、施設整備に関しても従来の焼却と埋立てだけの単純な処理プロセスを採用するのではなく、リサイクルセンター・プラザ、灰溶融等の資源化の図れる施設が積極的に導入される時代を迎えています。また、RDFやガス化溶融炉等の新技術の開発も日々進められており、これからのごみ処理は、多岐・多様な方法が採用されることとなります。
排出抑制、再資源化、有効利用の推進を図るとともに、ごみ処理に伴って発生する熱エネルギーも積極的に活用しようとする「廃棄物循環型社会」への転換が叫ばれる中、ごみの排出状況はこれまでの趨勢と異なった推移を示す方向にあります。このため、中間処理施設を計画するうえで重要なごみの排出量予測には、多角的な解析が必要となり、高度な計画技術が求められます。また、熱エネルギーの活用や施設構成の検討に当たっては、機械、電気、化学等多岐に渡る総合的技術が要求されます。